9月21日。J1・第25節大宮vs浦和の埼玉ダービーで、浦和がFW高原直泰(29)のゴールで大宮を1-0で下した。浦和は順位を2位に上げた。
前半27分。FW高原が相手DFラインの裏へ飛び出すと、左サイドの相馬から絶妙のスルーパスが。高原は飛び出してきた相手GK江角をかわすと、一瞬顔を上げてゴールを確認したあと、右足を振りぬいた。放たれたグラウンダーのシュートはGKの股の間を抜けてネットを揺らした。
このゴールによって日本のエース・高原の復調を期待する人もいると思うのだが、私の場合、それはこのゴールが4月の京都戦以来、17試合ぶりの決勝弾ということよりも、このゴールが非常に「高原らしい」ゴールであったからだ。 日本のFWの決定力不足はすでに日本サッカー界の常識のようになってしまったが、その原因のひとつとして「ゴール前での冷静さに欠ける」ということが挙げられる。 その点、昨日の高原のゴールは非常に冷静だった。
GKをかわしたあとの一瞬のルックアップ、そしてGKの股間を抜くグラウンダーのシュートを選択した一瞬の判断。欧州で磨かれた技と経験を見たることのできたゴールであった。 きれいでなくてもいい、泥臭くてもいい、とにかくゴールを決める、ただそれだけを狙っている。しかも、異常なくらい強烈にそこにこだわる…そういったタイプのFWが世界には多く見られても、なかなか日本では見られない。
やはり、現在の日本代表がアジア予選を勝ち抜くだけではなく、その後、世界の強豪相手に戦うには、この男の存在は欠かせないのではないか。 スランプは誰にでもある。ドイツから日本に戻り、Jリーグへ適応する時間を要するかもしれない。しかし、やはり高原に戻ってきてほしい。今度は日本代表で、W杯予選でゴールする姿を見せてほしい。
小松英之コラムトップへ 前の記事へ 次の記事へ コラムトップへ